海外に商品が売れるとその代金は海外送金となります。

この時「売れた金額がそのまま口座に入る」という形にはなりません。届くまでの間に引かれるものがあり、さらに受け取るためにも手続きが必要となります。銀行によっては、そもそも海外からの送金を受け取れないこともあります。

始める前に知っておくと回避できることもあるかもしれません。

赤字になった瞬間に会社が終わるわけではない

まず最初に遠回りに見える話をひとつだけ。。。

会社は赤字になったら終わり、と考えている方は少なからずおられます。なので絶対に赤字にしてはいけないと。
ただ実際のところ、赤字と会社が止まることは別の出来事です。赤字のまま何年も続いている会社は珍しくありません。

会社が止まるのは払うべきものを払えなくなったときです。なので黒字で倒産ということが往々にして起こります。帳簿の上でどうなっているかより、そのとき手元にいくらあるか、の方が重要というポイントです。

そして越境ECの場合、その「手元にいくらあるか」は実は最初の入金のところで一度試されます。

海外からお金が届くまでに、間に何が入るか

海外の買い手が払ったお金は、まっすぐこちらの口座に来るわけではありません。

また銀行から銀行へ直接送られてくる場合、途中に中継銀行が入る場合もあります。送る側の銀行と受け取る側の銀行に取引の関係がないとき、間を取り持つ銀行を経由する仕組みですね。

またShopeeのような販売プラットフォームを使う場合は、Payoneerのような海外送金のサービスがいったん受け取りそこから各国内の口座に届く形になります。

このように海外送金の受け取りには主に2つの経路があり、通る道によって引かれるものも必要な手続きも変わります。

引かれるものは、ひとつではない

楽天銀行を例にとると、海外からの送金を受け取る場合は以下のようになります。

受取手数料は、個人口座が1件につき2,450円、法人口座の場合1件につき2,000円必要となります。1件ごとにかかるので、10万円であろうが1000万円であろうが金額の大小は関係ありません。

中継銀行手数料は、送金の経路にある銀行で別途発生していると思いますが、恐らく受取銀行の手数料に乗っかっていると思います。

そして為替手数料です。外貨を円に替えて入金する場合にかかりますが、送金金額の○○%(最低2500円)といったように決められていることが多いです。

届いても、手続きをしないと口座には入らない

またもうひとつ、見落としやすいところがあります。

再度楽天銀行のケースを例に挙げると、送金が到着したあとにマイページへログインし入金指示という手続きをする必要があります。

つまり、「売れて」「送金されて」「着金した」、それでもまだ口座には入っていない状態が発生するということです。

これを知らないと、入金がないと思って待つことになります。もちろん登録メールアドレスやアプリでの通知がありますので、全く音沙汰がないわけではありません。
しかし国内間での振込と異なり、海外からの入金は手続きされれば勝手に入金されているものとは限りません。

入金なのに、口座にお金が要ることがある

そして楽天銀行の場合、為替手数料は受取額から差し引かれるのに対し、受取手数料は口座から引き落とされます。

つまり口座に残高がないと受け取りが進みません。入ってくるはずのお金なのに、手元に現金を置いていないと止まるという状態です。

その場で行う現金取引ではない以上、売上が立ったことと手元にお金が入ってくることは同じタイミングでは起きません。この差をできる限り埋めておくのが、最初にやっておくと楽なことのひとつです。

事業用と個人用は分けておく

法人であれば、事業用の口座やカードは個人用と分けておいた方が良いと思います。

理由は2つあります。ひとつは会計です。事業のお金と生活のお金が同じところを通ると、後から仕分ける作業が増えます。会計士さんに任せている場合でも、渡す資料が煩雑になる分だけ、どこかで手間が発生します。

もうひとつは、銀行から見たときの印象です。事業のお金の流れが個人の生活費と混ざっている状態は、あまり良く見られません。

分けることで不利になることはあっても、有利になることはない、というのが正直なところです。後からでも分けられますが、取引の履歴が積み上がってからやる方が面倒になります。

分けたあとの記帳をどう回すかは、お金の見える化が利益を増やす理由|副業・越境ECセラーのためのマネーフォワード活用法 にまとめています。

口座を作るなら、海外から受け取れるかも見ておく

ここまで楽天銀行を例に書いてきました。

これから事業用の口座を用意するのであればネット銀行を主軸にするのも良いかもしれません。手続きが画面の中で完結しますし、口座開設の申し込みそのものも書類の提出までオンラインで済むところが多いです。

ただ、ネット銀行ならどこも同じかというと、そこはまだ横並びではありません。海外からの送金を受け取れるかどうかは、銀行ごとに違います。

どのネット銀行なら受け取れるのかは、こちらで4行を並べて比べています。(ネット銀行の法人口座で海外送金は受け取れるか|楽天・GMOあおぞら・PayPay・ドコモSMTB)

まとめ

海外に売れてから手元にお金が届くまでには、思っているより間に何かが入ります。

ただどれも、目を通したことがあればややこしくなることはない話です。「海外からの送金を受け取る場合には受取手続きを行う必要がある」ということも全く何も知らないままの状態よりも「そうなんだ」と少しでも知識が入っている方がリスクは軽減されるはずです。入るはずの金額が入らないと無駄に不安になる必要もありません。

今回は海外へ販売した後の入金について少し話すこととしました。海外からの入金の分、かかる手数料は多くなりますがその分市場は大きくひらけているのは間違いありません。
もし海外送金に一抹の不安を抱えているということがあるのでしたら、何も心配することはありません。直接取引をしなくても、海外市場のプラットフォームを利用すればリスクは少なく、簡単に手続きが行えると思います。
海外フリマの参考にして下さい。

どのサイトから始めるかについては、海外フリマサイトはどれを選ぶか|Shopee・eBay・Etsy ほか6サイトを実用比較[2026年] で6つのサイトを並べて比べています。売上の受け取り方はサイトによって変わってきますので、今回の話と合わせて見ていただくと選びやすいかもしれません。