「TikTokで売れる」という甘い罠。中国市場の「4割がライブコマース」という絶望と個人が生き残る唯一の隙間
「中国は市場がでかい」という言葉に思考停止していませんか?

「中国の人口は14億人。だから日本の商品を並べれば売れる」
いまだにこのような「昭和的」な幻想を抱いているのであれば、
この記事はあなたの目を覚ますための劇薬となるでしょう。
確かに中国市場は巨大です。
しかし、そこは既に「商品を並べて待つだけの市場」ではありません。
JETRO(日本貿易振興機構)のデータが示すのは、
個人が丸腰で挑むにはあまりに過酷な「エンタメ化」と「法規制」の壁です。
絶望的なデータ:ネットユーザーの4割が「ライブコマース」へ

まず、こちらのデータから。
中国では2020年末時点でインターネットユーザーの約4割が「ライブコマース」を利用しています。
市場規模はわずか3年で急拡大し、数千億元(数兆円)規模に達しました。
アリババ(Tmall)やJD.comといった既存の王者に対し、Douyin(TikTok)やKuaishouといった動画プラットフォームが猛烈な勢いでシェアを奪っています。
これが何を意味するか、分かりますか?
今の中国でモノを売るということは、単にスペックを羅列することではなく
「演者がリアルタイムで視聴者を熱狂させるエンターテインメント」を提供することを意味します。
言葉も通じず、現地のインフルエンサー(KOL)の協力もなく、
単に静止画とGoogle翻訳のテキストだけで勝てる場所など、もはやどこにもないのです。
「とりあえず出品」の先に待つ商標の地獄
「いや、ライブコマースは無理でも地道に出品すれば…」とお考えでしょうか。
そこで待ち受けているのが「一般貿易」と「越境EC」の冷酷な格差です。
- 一般貿易:中国語ラベルが必須。
商標は無くても問題ないが類似品が出てきた時に異常に弱い。
「使えばわかる」は一切通用しない。 - 越境EC(直送):商標やラベルは不要だが、あくまで「オンライン販売」のみでの勝負。
店頭などオフライン販売不可。
また気をつけるべきはトラブル事例です。
「越境ECを始めた結果、中国国内で類似品が乱立しビジネスが詰んだ」という報告は多くあります。
個人レベルで整えて販売を行う場合、
- 中国の商標を取得し
- 現地の法規制をクリアし
- さらにライブ配信でエンタメを提供する
これがいかに「割に合わない戦い」であるかが論理的に理解できるはずです。
個人が戦うべきは「静かなる市場」である

では個人に勝ち目はないのか?
いいえ。
だからこそ私は「Shopee」や「eBay」を推奨します。
これらの市場は、中国のような「過剰なエンタメ化」や「複雑怪奇な法規制」が(まだ)支配的ではありません。
そこでは依然として「正しいリサーチ」と「適切なツールによる出品」という、静的かつ論理的なロジックが通用します。
「レッドオーシャンの中国で、巨人と殴り合うか」
「ツールとロジックが通用する市場で、賢く利益を抜くか」
答えは出ているはずです。
感情ではなくデータで戦場を選んでください。