Shopee台湾に商品を並べました。出品にあたって計算した費用を、実際の数字で書いていきます。

出品作業自体は30分ほど。ただしこれは、タイトルも商品説明も画像も用意した状態から、手順を書き出したメモを見ながら進めた時間です。管理画面でやることは入力だけでした。

最も大切なことは売価も、商品名も、送り方も、作業に入る前に決めておくことです。

ここでは先に決めたことを、解説を含め順を追って書いていきますね。

出店申請そのものの手順は Shopee出店申請のやり方|4つの事業形態別に必要書類と入力手順を画像付きで解説 にまとめています。ここから先は、店が開いている前提の話です。

売価より先に送料が決まっている

まず私が取り扱う商品ですが、入浴時のボディタオルを選択しました。

そこで採算が取れると思っていたのですが、出してみると見事に赤字でした。送料が思っていたのとは違う所でかかっていたのが原因です。

Shopeeの国際配送(SLS)では荷物は2区間を通ります。

自宅 →(国内の宅配便・自己負担)→ Shopee倉庫(江東区)→(SLS)→ 台湾の買い手

簡単にいうと、自己負担520円+国際送料169円が送料としてかかります。

では次に数字を並べてみましょう。相場として販売価格をNT$139(639円ほど)、為替はNT$1=4.6円で見ています。なお売上はPayoneerという海外送金のサービスを通して受け取るので、Shopeeに払う手数料とは別にその出金手数料もかかります。

出ていくもの 金額
手数料(Shopeeの販売手数料12.75%+Payoneerの出金手数料2%) 94円
国際送料(SLS・こちらの負担分) 169円
国内送料(自宅→倉庫) 520円
合計 783円

売価が639円で、出ていくのが783円です。商品の代金を1円も乗せない状態で、すでに144円のマイナスです。

私が勘違いしていたポイントが、国際送料だけ見ており採算が取れると勘違いしていました。しかし費用は倉庫まで、と倉庫から、の2区間分存在するのです。

想定外の重量

加えてもうひとつ抜けていたものが、その2区間分の梱包が必要ということです。

商品自体は38gです。自分なりに軽い商材を選んだつもりでいました。

しかし送料は納品分の重量だけでなく倉庫までと倉庫からの実計量で決まります。もちろん緩衝材もテープもラベルも、全部乗ったうえで量られます。

しかも箱は最低でも2つ要ります。買い手に届く内箱と、Shopeeの倉庫まで送るための外箱です。このうち国際送料の対象になるのは内箱だけでした。外箱は複数の注文があれば複数分を1箱にまとめて入れられるので、注文ごとには数えられません。

内箱は50gほどでした。商品38gと合わせて88g。SLSの重量帯は50g刻みなので、38gの商品が100g帯で課金されます。1枚だけ売れたときは、商品より梱包の方が重い状態です。

梱包を軽くすれば改善はします。ただ、薄い袋1枚では済みません。Shopeeは内箱に緩衝材を入れること、3辺合計60cm以上にすること、を推奨しているので袋では要件を満たしません。

相場は一つではない

台湾で同じ商品を検索すると、価格帯はおおよそNT$119〜159で並んでいました。日本の小売価格に直すと510〜768円でほぼ横並びの金額です。

もうひとつ分かったことがあります。検索するときに打ち込む言葉を変えると、出てくる商品も値段も入れ替わりました。shopeeシンガポールでブランド名「kikulon」で調べるとS$12前後です。ところが「exfoliating towel」という一般的な言い方にすると、S$5前後の商品が並びます。同じような商品なのに倍以上違いました。「japan body towel」だと今治タオルが出てきて、S$28〜95になります。

相場は一つの数字では出てきません。どの言葉で調べたかで目に入る商品そのものが入れ替わります。商品名にどの言葉を入れるかを決める前にこの違いは掴んでおいたほうが良さそうです。

台湾の実売価格と日本の小売価格を並べた話は、「海外なら高く売れる」は成立しない|台湾の実売価格と日本の小売価格を並べて分かったこと に書いています。

単価が高い市場と、売れる市場は別

シンガポールの単価は台湾のおよそ2.2倍でした。ただ、実際にどれだけ売れているかを並べると景色が変わります。

Shopeeの商品ページにはその商品がこれまでに何個売れたかが表示されます。台湾で検索して一番上に出てくる店は4000個以上、シンガポールで一番上の店は22個でした。台湾で真ん中あたりにいる店(85〜97個)ですら、シンガポールのトップを上回っています。

単価が2.2倍でも、22件では桁が2つ違います。どちらに出品するかはこの時点で決まったと言っても過言ではありません。

Shopee以外も含めた売り場の比べ方は 海外フリマサイトはどれを選ぶか|Shopee・eBay・Etsy ほか6サイトを実用比較[2026年] に書いています。

使えない言葉が、先に決まっている

商品名を作るために、競合のタイトルを30件ほど集めました。並べてみると、ほぼ全店が使っている語がありました。

  • 現貨(在庫あり・すぐ送れる)
  • 電子發票(台湾の電子インボイス)
  • 合法進口報關(正規に通関している)

このどれも日本から発送する際には気をつけた方が良いでしょう。台湾に在庫を置いていないので現貨ではありませんし、電子インボイスは発行できません。輸入通関に関してはShopeeを通しているので非正規というわけではないでしょうが、ニュアンスが掴めないのでリスクと判断します。

競合は全店が「台湾国内に在庫があって明後日届く」「電子發票を出せる」「Shopeeが優良店に付けるバッジ(優選)を持っている」という状態でした。新規の越境出品にはこの3つがありません。

代わりに使えそうなのは「日本直送」くらいでしょうか。タイトルに関してアドバンテージになることはなさそうですが、リスクを回避できるようにはしておくべきかと思います。

商品名は翻訳ではなく現地の語を並べたもの

集めた競合のタイトルを見て、同じ意味の語が並べている事がわかりました。(沐浴巾、洗澡巾、搓澡巾、擦澡巾、澡巾といった具合に5つ並べている出品もありました。)

最近のアマゾンでの商品を見ても同様の印象を受けますね。私のような古いタイプの感覚だと、同じ意味の言葉を並べるのはどうしても冗長に見えてしまいます。しかしそれが市場の流行りであるなら乗るべきだと思います。検索から漏れないことが大事ですね。

集めた14件での出現頻度はこうなりました。

出現
搓澡巾 12 / 14
沐浴巾 11 / 14
洗澡巾 10 / 14
去角質 8 / 14
日本製・日本直送 8 / 14
起泡(泡立ち) 7 / 14

ただ。もうひとつ分かったことがあります。私の例だと同じ「ボディタオル」でも、硬くこすって角質を落とすタイプと、泡立ちで売っているタイプで、使われている語が分かれていました。私が取り扱っている商材は後者なので、「去角質」を前面に出すと、期待していたものと違うというレビューが付きかねません。表示を増やす語と、満足度を上げる語は別であるというパターンも認識しておく必要がありそうです。

語を並べるにしても入る数には上限があり、商品名は60字までとなっています。

用意していたタイトルは詰めに詰め込んだので87字もありました。入力時にはエラーにならないので気付きません。後ろの27字は切り捨てられます。切れた先に置いていたのは「日本直送」とカテゴリ名と同じ「沐浴刷」でした。どちらも入れたかった。。。

ここではきれいな翻訳ではなく買い手が実際に打っている語を並べる作業をしました。何を落とすかを決める作業だったとも言えます。

買い手が払う送料と、自分が負担する送料は別

台湾のShopeeでは、買い手が払う送料が受け取り方法で変わります。

受け取り方 買い手が払う送料 こちらの負担
コンビニ受取 NT$45 同額
宅配 NT$70 同額

買い手にとってはNT$25の差が付くのに、こちらの負担は変わりません。台湾はコンビニ受取の利用率が高いので、設定を有効にしておくだけで、買い手から見て安い店になります。

ついでに、この市場が「まとめ買い前提」に設計されていることも見えてきました。単価がNT$130前後なのに対して、宅配は490以上で送料無料です。1枚だけ買うと送料が重く乗るので、競合は全店が2件割引・5件割引を付けていました。

こちらの費用の側も、1オーダーあたりの枚数で大きく変わります。前半に書いた国内送料520円は、1枚送っても4枚送っても同じです。買い手がまとめ買いしたい理由と、こちらがまとめ買いしてほしい理由が、同じところにありました。

複数購入の割引はおまけのサービスではなく、採算の前提条件でした。

そもそも、調べるところに壁がある

日本のIPから台湾Shopeeがどこまで見えるかは 日本のIPではShopee台湾で検索すらできない——NordVPNを越境ECの実務で使った記録 に書いています。

ここまで書いてきた相場や競合の話は、全てShopeeから得てきた情報です。ただ、その画面にたどり着くまでにいくつか壁がありました。

  • Shopee台湾・シンガポールでは、ゲストは検索や商品タップの時点で会員登録画面に飛ばされます
  • これは台湾(シンガポール)のIPに変えても、ログインしていないと商品詳細が開けません
  • シンガポールに至っては、未ログインだとトップページすら表示されませんでした

つまりVPNだけでは足りません。IPの問題と、ログイン状態の問題は別のものということです。

もうひとつ、スマホアプリとPCブラウザで検索結果が違いました。シンガポールでブランド名を検索したとき、アプリでは商品が並んで見えたのに、PCではネイルポリッシュが返ってきています。前の節に書いた「その語に在庫が無い」という判断は、PCで確認したからこそわかった情報となります。

逆説的ですが、Shopeeの相場を調べたいなら、先にその国のShopeeに登録しておく方法が最も確実で早いです。売る予定が無い国でもアカウント作成は同時にできますので、後々相場を調べる際には便利かもしれません。

入力中にブラウザの翻訳を使わない

管理画面は繁体字です。日本語に翻訳しながら進めたところ、入力済みの文章と画像がすべて消えました。

翻訳はページ全体を書き換えるので、入力欄の中身まで一緒に飛んでしまうようです。原稿を別のファイルに置いてから貼り付ける形にしておくと、消えても貼り直すだけで済みます。

出品前に最後まで悩んだポイントは価格

並べ直してみます。

  • 送料は、国内と国際の2区間で、レート表を1枚見ただけでは足りない
  • 重さは倉庫の実計量で決まるので、商品の重さだけでは決まらない
  • 相場は一つではない。ブランド名で検索する人と一般名称で検索する人は別の結果を見ている
  • 単価が高い市場が、売れる市場とは限らない
  • 名乗れる単語は、在庫をどこに置いているかで決まっている
  • 商品名は翻訳ではなく、現地の語を並べたものでいける
  • その商品名に入れられる字数にも上限がある

ここまでは出品作業を行うまでに全て用意しておく事ができます。できないことを一つずつ外していくと、残りが自動で決まっていく、と言っても過言ではありません。こうなると自分で決めたことは値段だけですね。

海外の店舗などへ卸す場合も、まずいくらで出せるかを聞かれます。ただ、値段から入っても答えは出ないんですよね。

決まってしまっていることを先に並べていくと、最終消費者に売る場合でも卸す場合でも、自ずと価格へ辿り着きます。

販売の経過などはまた別に記載したいと思います。