ネット銀行の法人口座では海外からの送金を受け取れるのでしょうか。

結論から言うと、受け取れる銀行と受け取れない銀行に分かれます。
全てが全て海外からの送金を受け取れるというわけではありません。

海外の取引先に口座の情報を伝える前に、確かめておきたいと思ったことはないでしょうか。

ただ、受け取れない口座=越境ECに使えない、というわけでもありません。
売上がどういう形で届くかによって、口座を選ぶ際に見るべきところが変わるからです。

海外からの売上の届き方は2つ|送金サービス経由or取引先から直接

海外から売上が届く形は大きく分けて2つあります。

1つ目は、送金サービスを経由して届く形です。
Shopeeの売上は、Payoneer(ペイオニア)という海外の送金サービスを通して受け取ります。
海外の買い手が払った代金は、いったんPayoneerの口座に入りそこから日本の銀行口座へ移す流れです。

もう1つは、海外の取引先から自社の銀行口座へ直接送ってもらう形です。
海外の会社と直接取引を行う場合には主にこちらですね。

そのうえで、先に一つ押さえておきたいことがあります。
どの銀行でも海外からの送金を受け取れるわけではありません。

海外から送られてきたお金を口座に入れるには、銀行側がその取り扱いをしている必要があります。
国内のやり取りだけを扱っていて、海外から届いた送金は受け付けていない銀行もあります。海外へ送ることはできても「受け取りだけは扱っていない」という銀行もあります。

口座の名義や口座番号が合っていても銀行が扱っていなければ入金されません。どの銀行がそうなのかは、下の「4行の比較」にて記載しています。
また海外送金受取の取り扱いがあるかどうかを調べる際には「被仕向送金(ひしむけそうきん)」と書いてある箇所を調べて下さい。
(銀行の案内では、海外から届く送金のことを「被仕向送金」と記載していることが多いです。)

所有している口座の銀行に「海外からの送金を受け取る機能」が必要になるのは、この後者の形のときだけです。

送金サービスを経由すると国内の振込として届く|Payoneerの場合

Payoneerから銀行口座へ出金するとお金は日本円の国内の振込として届きます。
海外の銀行から送られてくる形にはならないので、口座の側に海外からの送金を受け取る機能がなくても入金されます。

私は楽天銀行の法人口座をPayoneerに登録しました。振込はPayoneerからの振込という形で入っていました。
着金までの日数は、ほとんどが当日中、遅い場合でも2営業日ほどと案内されています。

Payoneerの出金先には、国内の多くの銀行を登録できます。
登録できる銀行であれば、海外からの送金を受け取る機能がない口座でも、Payoneerからの出金は国内の振込として入金されます。

ShopeeのPayoneer連携でエラーが出て進まなかったときの原因と手順は、こちらにまとめています。
(ShopeeのPayoneer連携がエラー(RpcInvokeException)で進まない|原因3つと解決手順)

売上がPayoneerのような送金サービス経由で届くなら、海外からの送金を受け取れるかどうかは口座選びの条件から外して構わないと思います。

取引先から直接受け取る場合:受け取れるネット銀行は限られる|4行の比較

海外の取引先から直接受け取る場合は話が変わります。
ネット銀行であればどこでも受け取れるわけではありません。

今回は主なネット銀行4行の法人口座について比較しました。(各行の公式サイト:2026年9月時点)

銀行海外からの送金を受け取れるか受け取るときの手数料
楽天銀行受け取れる1件2,000円
ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)受け取れる日本円は1回3,500円。外貨は1回5万通貨以上なら無料。(受け取りのサービスを始めるときに55,000円)
GMOあおぞらネット銀行受け取れない(海外へ送る専用)—
PayPay銀行受け取れない—

楽天銀行は、日本円と米ドル・ユーロなど7つの通貨で受け取れます。法人でも個人口座でもどちらでも受け取り可能です。
ただし、三井住友銀行を経由しての送金となりますので、自身の口座情報に加え経由銀行の情報も先方(送金主)に記入してもらう必要があります。
また海外送金を使うときには、法人番号(国税庁が法人ごとに割り振っている13桁の番号)を届け出る必要があります。

ドコモSMTBネット銀行は、2026年8月3日に住信SBIネット銀行から社名が変わった銀行です。(金融機関コードや口座番号は変わっていません。)
日本円を含む10の通貨で受け取れますが、受け取りのサービスを始めるときに初期導入手数料として55,000円がかかります。
受け取り手数料が無料になる「5万通貨以上」とは、米ドルなら5万ドル、ユーロなら5万ユーロのように、その通貨で数えた金額です。香港ドルと南アランドについては50万通貨となります。

GMOあおぞらネット銀行は、海外へ送ることはできますが海外からの送金は受け取れません。公式のよくある質問にも「海外からの送金を受けることはできません」と書かれています。
ただ、Payoneerの出金先として登録できる銀行に含まれていることは確認していますので、送金サービスを経由して売上が届くのであれば海外からの送金を受け取れないことで困る場面はないと思います。

これは他行でも言えることですが、受け取りのためだけに別の銀行で口座を作らなければならないといったようなことはありません。

PayPay銀行にも外貨を受け取るサービスはあります。ただしこれは、国内の金融機関から本人名義で送る場合に限られていて、海外の銀行から送られてきた分は受け取れません。

受け取れる2行も、手数料のかかり方は違います。
楽天銀行は1件ごとに2,000円です。
ドコモSMTBネット銀行は、日本円で受け取ると1回3,500円なので、日本円の受け取りなら楽天銀行のほうが1回あたりの手数料は少なくなります。ドコモSMTBネット銀行の手数料が無料になるのは、外貨で1回5万通貨以上をまとめて受け取るときです。
始めるときの55,000円は、楽天銀行の受取手数料にすると27回分ほどにあたります。

受け取ったお金が口座に入るまでに何が引かれるか、受け取るためにどんな手続きが要るかは、こちらに書いています。(越境ECの入金は思いのほか減る件|海外送金の受取手数料と事業用の口座を分ける話)

今回例として挙げたのは4行だけですが、この中だと海外の取引先から直接受け取れるのは楽天銀行とドコモSMTBネット銀行の2行となります。
受け取る回数や金額、日本円か外貨かによってどちらが合うかはそれぞれ変わってくると思います。

口座は1つにしなくてもいい|都市銀行とネット銀行を分けて使う

法人口座は1つの銀行にまとめる必要はありません。
都市銀行とネット銀行の2つの法人口座を持ち、海外の取引先からの代金とPayoneerからの出金はネット銀行の方で受けるという形でも良いのではないでしょうか。

これから法人口座を作るのであれば、売上がどちらの形で届くのかを先に確かめておくと後から口座を作り直す手間がかからずに済むと思います。

送金サービス経由だけであれば、海外からの送金を受け取れるかどうかは気にしなくて大丈夫です。
しかし海外の取引先から直接受け取る予定があるなら、受け取れる銀行に口座を用意しておく必要があります。

口座を選ぶときに見るところは海外送金だけに限りません。
かかってくる振込手数料やATMの利用手数料、ポイントの還元など、自身のスタイルに合った銀行を比較したいですね。

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